かるた遊びを始めて最初の1,2分。
あるお子さんが、タイトルにある言葉を言い続けていました。
要するに、負けたくないし、悔しい思いをするのは嫌だし、周りの子と比べてできないのが受けとめきれないのです。その気持ちはよくわかりますよね。
そこで、2人の療育士は2つの指導をしました。
1つは毅然とした指導。
粘り強くなってほしいという思いから「一度始めたら最後までやろうね」、「気持ちはわかるけど、つまらない、いやだって言い続けると周りの子もそういう思いになってしまうから、我慢しようか」と伝えました。
もう1人は受容と共感の指導。
負けたくない、悔しい、歯がゆいという思いに寄り添い、「私はあなたの味方だよ。私も同じだから安心してね」というメッセージを伝えるために、そのお子さんの声や表情を真似て、わざとおおげさに「私も辛いぃぃ~! 取れないぃぃ~! 嫌だよぉ~!!」、「でも、勝ちたいから頑張るぅ~!!」と伝えていました。
その繰り返しで10分間ちょっと。
このお子さんは、最後まで頑張り続けました。結果的に1,2枚とることができました。それがとても嬉しかったようです。
途中から最後にかけて、自然と「がんばる~!」が出ました。
これが本物のモチベーションです。
児童発達支援・放課後等デイサービス まなびや 施設長 1983年八王子市生まれ。一小、五中、館高校卒業。 地元八王子市において、発達障がいをかかえて困っている子どもたちに適切な療育を提供することを通して、自立して生きていく力と自尊感情を高め、「生きてきてよかったなあ」という喜びを感じてほしいと思い、まなびやを創業。